紫陽花の撮影スポットとして、注目を集めている岩船寺。その理由を実際に行ってみたあとで振り返って分析しながら、岩船寺の魅力を紹介していきます。

重要文化財の三重塔を背景に紫陽花を撮影することができる

岩船寺 山門から撮影した紫陽花と三重塔【撮影日:2015年6月27日】

受付を済ませ山門の前に立つと、早速ながら紫陽花とその奥に三重塔らしき朱色の建造物がお出迎えしてくれます。

岩船寺 山門から撮影した紫陽花と三重塔【撮影日:2015年6月27日】

腰をかがめて低い位置から撮影すると、朱色の建造物の全容が見え、三重塔であることが確定しました。

岩船寺で撮影した紫陽花と三重塔の写真【撮影日:2015年6月27日】

そのまま奥に歩みを進めて、三重塔を背景に紫陽花撮影を続けます。

岩船寺で撮影した紫陽花と三重塔の写真【撮影日:2015年6月27日】

岩船寺で撮影した紫陽花と三重塔の写真【撮影日:2015年6月27日】

岩船寺で撮影した紫陽花と三重塔の写真【撮影日:2015年6月27日】

位置やアングルを変えて、紫陽花と三重塔のコラボ撮影を堪能しました。
岩船寺には三重塔の他にも重要文化財があり、紫陽花と撮影するなら十三重石塔とコラボさせることが可能です。

ブームにのっかり花手水が登場

近年、あちこちの紫陽花寺で見かけるようになった花手水。私が訪問した時は、まだ花手水は設置されていなかったため、撮影した写真はありません。今後行く機会があれば、撮影したいと思います。

午前中に行けば蓮の花とのコラボ撮影にも期待

岩船寺 阿字池と紫陽花【撮影日:2015年6月27日】

岩船寺は三重塔の手前にある阿字池を中心とした池泉回遊式庭園となっています。阿字池には蓮の花があり、午前中に行けば蓮の花と紫陽花のコラボ撮影にも期待ができます。

撮影日は曇りの日をお薦めする理由

岩船寺の山門と三重塔の位置関係を確認すると、三重塔は山門よりも南側に位置します。つまり山門側から三重塔を見ると、南の方角を向くことになるため、太陽が南の空に上がっている状態だと逆光の中の撮影になります。逆光撮影は撮り方次第ですが、一般的には撮影しにくいため、曇りの日を選んだ方が苦労せずに済みます。

雨上がりの岩船寺で撮影した水滴残る紫陽花【撮影日:2015年6月27日】

実際の訪問時は、雨上がりのタイミングで、所々の紫陽花にはまだ水滴が残った状態でした。岩船寺の境内は、土の道が多いため、雨が降るとぬかるみます。足元の汚れを気にしないのであれば良いですが、動きやすさの観点からも、曇りの日を選んだ方が良さそうです。

“こじんまり”という表現が相応しいお寺

岩船寺 少し奥に進むと狭い通路【撮影日:2015年6月27日】

岩船寺は、少し奥に進むと狭い通路にも出くわします。拝観エリアは小さめで、1時間もあれば堪能できる規模ですが、もっとゆっくりしていたい気持ちにさせてくれる不思議な魅力を感じた岩船寺。小さいながらも落ち着いていて、まとまりがあるさまを表す“こじんまり”という表現が相応しいお寺だと思います。

また、行きにくい立地にあるがゆえ、穴場感があり、参拝客も少なめで撮影がしやすい印象がありました。
しかし近年、参拝客の増加しているためなのか、公式ホームページには撮影時の注意事項が記載されるようになっていますので、必ず一読の上、ご訪問ください。

岩船寺へのアクセス

岩船寺は京都府の南部木津川市にありますが、ほぼ奈良との県境に位置しています。
京都駅よりも奈良駅の方が近いため、紫陽花寺をハシゴするなら、奈良寄りで探すことをお薦めします。

参考までに岩船寺から、京都の紫陽花名所である三室戸寺と、お隣奈良県にある紫陽花寺までの車での所要時間を調べてみました。
・岩船寺から京都府宇治市の三室戸寺へ車で約1時間(高速道路利用で約50分)
・岩船寺から奈良市内の般若寺へ車で約15分。
・岩船寺から奈良県大和郡山市にある矢田寺へ車で約40分。

例えば、午前中に岩船寺へ行ってから、午後から三室戸寺へライトアップも含めて行くプランも立てられますが、三室戸寺は移動時間に加えて駐車待ちの時間も考慮しておく必要があります。

一方で、奈良県内の紫陽花寺なら、紫陽花苑の規模に違いはあるものの、1時間かけて移動するのであれば、奈良県屈指の紫陽花の名所、長谷寺も射程圏内に入ります。
・岩船寺から奈良県桜井市の長谷寺へ車で約1時間。

ただし、岩船寺には専用駐車場はありません。車で訪問する際は周辺の民間の駐車所を探すことになります。

公共交通機関を利用する場合、JR関西本線(大和路線)加茂駅まで電車で行き、そこから木津川市コミュニティバスに揺られて16分ほどで岩船寺に到着します。2025年6月時点で、岩船寺を通る木津川市コミュニティバスの時刻表を確認すると、1時間に1本のです。乗り逃すと大変ですが、そもそも加茂駅に到着する列車の本数も少ないため、コミュニティバスのダイヤは、加茂駅への列車到着時刻にあわせて作られているようです。ただし、列車が遅延した場合にバスが待ってくれるかは不明です。

また、加茂駅を利用せずに、JR 奈良や近鉄奈良駅から直接岩船寺に向かう方法も2つあります。
1つ目は、奈良交通105系統広岡行きに乗車し岩船寺口で降車する方法です。ただしバスを降車後、岩船寺まで徒歩25分要します。またバスの本数自体も少なく、1日に4便しかありません。

2つ目は、季節運行バスの「木津川古寺巡礼バス」を利用する方法です。この場合、岩船寺の前まで連れていってくれます。「木津川古寺巡礼バス」は、岩船寺だけでなく浄瑠璃寺や海住山寺といった、木津川市のお寺を廻る観光ループバスです。2025年時点で確認すると、紫陽花のシーズンにも運行されています。ただしJRや近鉄奈良から岩船寺まで30分乗車することもあり、運賃が大人片道900円かかります。往復を考えると、1日乗り放題乗車券1,200円を購入した方が良さそうで、この乗車券を使うなら、これらのお寺巡りや木津川市を観光するような工程を組んだ方が良さそうです。また、運行ダイヤも限られていますので、奈良交通の公式ホームページにてご確認の上、ご利用ください。