蹴上インクラインの桜のトンネル。廃線レールの両側にソメイヨシノの桜並木が約500メートルも続き、満開時に出来上がる桜のトンネル。かつては穴場と言われたこともあったこの場所ですが、ここでしか見れない景色が人の心を惹きつけ、SNSによる情報拡散も相まって、今や多くの人に知れ渡っている桜の名所です。
蹴上インクラインの桜のトンネルには、少なくとも2010年、2012年、2016年、2020年に訪れており、当時撮影した写真を公開します。しかしここを訪れる観光客は年々増えており、令和のこの時代、見頃時期の日中は混雑必至な状況に。敷かれたレールと桜並木を同時に撮影するためには、ある程度の空間が必要ですが、それも難しいほどにひっきりなしに人が行き交います。24時間無料開放されている蹴上のインクラインの桜のトンネルを、無人の状態で撮影したいなら、夜明け前のまだ暗い中、早朝4時頃に訪れるほどの気合いが必要であり、それでも熱心なカメラマンはその時間に集結しており、撮影された写真はSNS上で反響を呼んでいます。
2010年に撮影した蹴上インクラインの桜のトンネル
時を戻して2012年。平日の15時頃に訪問した時の写真です。曇り空のため、空の白色と桜が同化しそうで写真は撮りにくかったものの、混雑するほどではありませんでした。
ここだけ切り取ると、鉄道沿線の桜並木のようにも見えてしまいます。
この日は、蹴上の交差点からインクラインを外側から撮影して終了します。
2012年に撮影した蹴上インクラインの桜のトンネル
青空の下に写真映えする桜のトンネルを撮りたくて、晴れ予報の日にリベンジ。土曜日だったので人が混み始める前の朝9時半に到着。人は疎らで、撮り放題でした。
上の写真と同じ位置から振り返って撮影するとウェディングドレスを着た先客が。
この時代なら、フォトウェディングの格好のロケ地だったのですね。
レールの中央に立って撮影。
ちなみに、この年のカメラは、SONYのミラーレス一眼NEX-5標準ズームレンズで撮影しました。
2016年に撮影した蹴上インクラインの桜のトンネル
2016年は、カメラをSONYのフルサイズミラーレス一眼 α7(初代)に買い替えたこともあり蹴上インクラインに再訪。蹴上インクラインの下側には、レトロなねじりまんぽ (蹴上トンネル)が通っており、ここを通ると南禅寺への近道になります。しかしここを通ると蹴上インクラインには辿り着けません。そのまま通過します。
しかしこの時は、朝の陽射しがインクラインに影を作ってしまい、撮影しにくい状況でした。
土曜日とはいえ、朝7時頃に集まる観光客。この先、さらに混雑している様子だったので、ここで引き返して別の撮影地に移動することにしました。
2020年に撮影した蹴上インクラインの桜のトンネル
2020年は蹴上インクラインには行く予定にしていなかったものの、近くまで来たものだから混雑覚悟で立ち寄った日曜日の15時頃。風景を撮影できるか望み薄で行ってみたところ、人の切れ目を縫って撮影した1枚。
この時はカメラはSONYのフルサイズミラーレス一眼 α7Ⅲで撮影しました。カメラの性能は年々進化してますが、コンパクトで高性能なカメラを手軽に所有できるようになったことでカメラ人口が増え、観光地にカメラマンが集まり、それぞれ思い思いに撮影することで、風景を撮影しにくくなるという皮肉さ。この先、観光客がレール横幅いっぱいに広がっており、通るだけでも困難でした。
蹴上インクラインへのアクセス
蹴上インクラインへは、京都市営地下鉄 東西線の蹴上駅が最寄りです。1番出口から地上に出て、南禅寺などの方面である右側へ進んでも蹴上インクラインに着きます。しかしおすすめは、左側へ100mほど坂を上って、左手に日向大神宮の鳥居が見つけたら、それをくぐりっていくるルートです。
少し上ると琵琶湖疎水(蹴上疎水)と交わり、蹴上船溜が見えたら、その奥が蹴上インクラインのスタート地点(上流側)です。蹴上インクラインのレールを歩く際は、枕木やゴワゴワした石が敷かれているので、歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
なお、無人の桜のトンネルを撮影しようと、気合いを入れて朝4時に行く場合は、その時間は地下鉄は動いていません。徒歩か自転車、自家用車やバイクの場合はコインパーキングを探して、歩いていくほかありません。
蹴上インクラインの近くには、南禅寺や平安神宮などの桜の名所があります。哲学の道と組み合わせて桜散策するのも良いでしょう。