世界遺産白川郷。春夏秋冬、それぞれ季節ごとに風情ある白川郷ですが、その中でも冬の雪景色は別格です。
急勾配の茅葺き屋根に残る分厚い冠雪は、まさにこの地が豪雪地帯であることを物語っていて、伝統的建造物の合掌造り集落が織り成す雪景色は、昔話の世界にタイムスリップしたかのようで日中でも見応え十分。さらにその雪景色を灯りで照らし出し、幻想的な世界を体験できるライトアップイベントが、毎年特定の日限定で実施されています。大雪で極寒の地でのイベントに、かつては観光客も疎らだったそうですが、今となってはその景色を見ようと世界中から注目を集め、「死ぬまでに見たい日本の冬絶景スポット」とまで称されるようになっています。
たしかに極寒の中、とても感動的で貴重な体験を2018年と2019年の2度参加してきました。白川郷の雪景色、日中からライトアップまでの丸一日観光を、実際に撮影してきた写真とあわせて体験談を公開していきます。
なお、白川郷ライトアップイベントの参加方法や駐車場の予約方法は年々アップデートされております。先へお急ぎの場合は、雪の白川郷ライトアップイベントへの参加方法
へお進みください。
2018年の第32回白川郷ライトアップは事前予約不要で参加できた
2018年1月28日午前。スタッドレスタイヤ付きのレンタカーを借り、東海北陸自動車道を一宮JCT方面から北上。高鷲IC付近から徐々に雪深くなり、すっかり雪景色となった白川郷ICを降りたのが正午頃。そのまま駐車場へ直行する途中、荻町トンネルを出たあたりで車が連なり始めてました。雪の白川郷ライトアップイベントに指定されていた寺尾臨時駐車場は当時予約不要の先着順でした。少し待ったものの麓で駐車料金(当時は1,000円)を支払って余裕をもって駐車。シャトルバスでせせらぎ公園駐車場に移動し、13時過ぎには雪積もる合掌造り集落に足を踏み入れていました。
初めて訪れた雪の白川郷は、であい橋を起点に、おおよそ以下のルートで観光しながら撮影しました。
まずは昼間の荻町城跡展望台を目指します。従来、和田家住宅の裏手あたりから徒歩で登るルートがありますが、この道は除雪されておらず冬季通行止めでした。徒歩では展望台へ行くことはできません。展望台行きのシャトルバス乗り場を目指します。
同時に、ライトアップ時に乗車するシャトルバスの整理券配布場所も探しました。
当時は、当日に整理券を配布する方法。しかし、配布場所を見つけた時には既に長蛇の列が出来ており、さらに配布時間は「予定数に達した時点」という、何とも時間の読めない展開。折角、遥々雪の中を苦労して白川郷にやってきたのに、並ぶ時間が勿体ない。展望台へはライトアップ時に行くのは諦め、昼間のみを堪能することしました。
少し列が出来ていたので、シャトルバスを何台か見送って乗車。荻町城跡展望台へ。

雪の白川郷の定番ショット。雪が舞い散る中でしたが、合掌造り一帯を見渡すことが出来ました。

ズームで撮ると、観光客で賑わっていることが分かります。

再び集落に戻った後は、雪に覆われた合掌造りを無心で撮影。


既に1階部分が埋もれそうなほど積もっているのに、さらに降り積もる雪。

はしごを立てて屋根にのぼって雪掻きされています。

集落の南端、三小屋(三連合掌)へ到着したのが16時半頃。ここで日が暮れるのを待ちました。
本当ならもう少し左から撮影した方が、三小屋が綺麗に撮れるのですが、既に先客が。

日が落ちてライトアップが始まると、ストロボを焚いて雪の玉ボケ写真撮影。

日が落ちるにつれ、人が押し寄せてきたので早めに次へ向かいます。

来た道を戻りつつ、雪は止んできました。

昼間も撮ったこの合掌造りは水面にリフレクション。

国指定重要文化財の和田家も雪に包まれています。
白川郷の雪のライトアップ時間は17:30から19:30まで。この2時間を、三小屋(三連合掌)から和田家に着くまでに、ほぼほぼ使い切りました。裏を返せばライトアップ時間帯に、展望台に行っているようでは合掌造り集落を回り切れなかったか、かなりの急ぎ足で求められそうです。ライトアップされた合掌造り集落を上から見ることはできませんでしたが、地上からでも十分に堪能できました。
帰りの寺尾臨時駐車場へのシャトルバス乗り場では、1時間以上、寒い中待たされました。
2019年の第33回白川郷ライトアップは予約制&雪不足
2019年から、白川郷ライトアップイベントはライトアップ展望台のチケットも含めて予約制です。駐車チケットを購入しなければ駐車が出来ません。もしくはバスツアーで参加するという方法もありますが、時間に制約されたくないのと、他の観光地も回りたかったので、前年に引き続き、スタッドレスタイヤ付きのレンタカーを借りて行ってきました。
2019年1月20日、前年と同じく寺尾臨時駐車場に正午頃に到着。特段渋滞も発生しておらず、電子チケットを見せてスムーズに駐車できました。

積雪状況は直前に確認できていたのですが、いざ合掌造り集落に足を踏み入れてみると、やはり茅葺き屋根は雪で覆われておりませんでした。
雪景色には変わりありませんが、前年を見ているだけに、物足りなさは感じてしまいます。

おみやげ処の前に佇む丸型郵便ポスト。

雪不足に比例するかのようにこの日は観光客も少なめで、帰りの寺尾臨時駐車場へのシャトルバスも、それほど待たずに乗車することができました。
雪の白川郷ライトアップイベント参加方法
雪の白川郷ライトアップイベントは例年、7月頃に開催日程が、その後8月~9月頃に概略が発表されますので、このタイミングで白川郷観光協会の公式サイトをチェックしておく必要があります。そして2024年以降、完全予約制となっており当日券は用意されておりません。つまり、真夏の暑い時期に、翌年1~2月の冬の計画を立てる必要があるということです。予約方法は次の通りです。
1.村内に宿泊
白川郷観光協会の公式サイトにて申込します。宿泊施設は複数用意されていますが、宿泊人数はかなり限定的です。参加人数や設備などの条件に応じて、限られた日程の中から選択し、抽選に応募してかなりの倍率を勝ち抜く必要がありそうです。実際に筆者も2020年の白川郷ライトアップイベントは、白川郷に宿泊してみようと8月下旬に応募しましたが、あえなく落選しました。
2.ライトアップ専用駐車場を予約
白川郷観光協会の公式サイトにて申込します。各日程ごとに先着順での申込となります。台数は確保されていそうですが、予約残り数は分からないため、いつ完売になってしまうか分かりません。特に展望台付きのチケットは、早めに完売します。
私が購入した2019年も、ライトアップ展望台チケットは既に完売となっていたため、駐車場チケットのみを購入しました。ちなみに2019年当時は駐車料金(普通車)は3.000円だったこと予約完了メールで残っています。
2024年の駐車場料金を確認してみると、普通車(1~5名)5,000円(12月以降の予約は6,000円)、普通車(6名~10名)で8,000円(12月以降の予約は9,000円)に跳ね上がり、2026年になるとこれらからさらに1000円ずつ値上げされており、年々高額化していることが分かります。
3.バスツアー
「雪の白川郷 バスツアー」や「白川郷ライトアップ バスツアー」で検索すると、各社旅行会社や路線バスが企画している様々なプランが見つかります。
名古屋発や富山/高岡発の日帰りバスツアーはもちろん、東京や大阪からも宿泊付きツアーが用意されています。
また、ライトアップ開催日の直前でも、空席が残っていたり、ツアーバスが増発される場合もある模様なので、車での雪道の運転に不安な方や、先の予定が立てにくい方は、バスツアーでの参加がおすすめです。
4.観光タクシー
最後に、タクシー利用についても掲載しておきます。
白川郷へタクシーを利用していく場合、観光タクシー(貸切/チャーター)が便利です。観光タクシーの料金体制は、走行距離に応じたメーター制ではなく、プラン化されています。
「白川郷 観光タクシー」で検索すると、9人まで乗れるジャンボタクシープランもありますので、人数や発着地、予算に応じて事前に予約しておきます。
なお、詳しくは後述しますが2024年以降は、個人で用意したタクシー利用の場合も指定駐車場を予約しないと入場チケットが渡されないので注意が必要です。また、タクシーの発着場所は、主に高山市などとなりますので、そこまでの交通手段(電車や高速バス)も別途必要になります。
白川郷の積雪状況 確認方法
白川郷の積雪状況は公式のライブ映像で確認できます。今のところ、日中観光については事前予約やチケットの必要がないため、白川郷の積雪状況をチェックしながら訪問日を直前に決めることも可能です。
ただし、ライトアップイベント開催日は、荻町城跡展望台は15:45をもって閉鎖、駐車場の利用は17:00には完全退出となるため、雪の白川郷を日中観光のみを楽しみたい場合は、ライトアップ開催日を外して計画を立てた方が無難です。また今後、観光客が押し寄せて日中でもオーバーツーリズム状態になるような事態になれば、日中観光の予約制も否定できなくなります。
予約日はいつがベスト?積雪を予測できる?
しかし白川郷ライトアップイベントへの参加は完全予約制です。
早ければ真夏の暑い時期に、次の冬の積雪状況を予測する必要があり、これは実に困難を極めます。もしまた次に白川郷ライトアップイベントに行くならば、過去にライトアップイベントに参加した経験則から、1月下旬から2月上旬にかけて、合掌造りに迫力のある雪が積もる確率が高そうと予測を立てていました。しかし、地球温暖化の影響で全国的に降雪量が減る一方、豪雪地帯では短時間に多量に降り積もる雪「ドカ雪」が、白川郷でも12月に降ることもあります。なお、購入したチケットは、イベント自体が中止にならない限り、予約内容の変更やキャンセルによる返金は一切ありません。
年々アップデートされる雪の白川郷ライトアップイベントへの参加方法
雪の白川郷ライトアップイベントへの参加方法は年々アップデートされています。コロナ禍以降の流れを綴っていきます。
コロナ禍はどうたったのか
2020年の1月、ちょうどこの年の白川郷ライトアップイベントが開催されているようなタイミングで、国内における新型コロナウィルス感染者が確認され、その後、一気に流行。2020年春に緊急事態宣言が発出された流れの中、翌冬2021年の白川郷ライトアップイベントは、開催に向け秋頃から予約は開始されていました。しかし、感染拡大と収束が見通せない現状を受け、2020年12月中旬頃に中止が発表されました。翌2022年も中止、感染症の収束に向かいつつある2023年は完全予約制で、第37回白川郷ライトアップイベントが開催されました。2023年は、ライトアップ展望台チケットを購入できる対象者は、混雑を防ぐため、村内の宿泊客もしくはバスツアー予約客の「展望台見学付プランのみ」に限られました。
2024年以降、雪の白川郷ライトアップイベントは完全予約制に(当日券の販売無し)
2024年の第38回白川郷ライトアップイベント開催を前に、「料金を払わない観光客が問題視されている」との報道を目にしました。「料金を払わない観光客」とは「白川郷に1円もお金を落とさずにライトアップイベントに参加する」観光客のことのようです。駐車場のチケット購入やバスツアーに参加せずに、タクシーや徒歩で入場し、イベントを楽しむ観光客が問題になっているとのこと。徒歩ってあんなところに、どこから歩いて行くのかは謎ですが、誰かの車に送迎してもらうというケースも考えられます。
その対策として2024年は、合掌造りの集落入口に入場ゲートを設置して、入場チケット制になりました。入場チケットは、首掛けホルダータイプとなり、ゲート入場及び集落散策中は、常時ホルダーを首にかけることが求められます。指定駐車場以外での駐停車や乗降等は禁止されており、違反者には白川郷ライトアップイベント参加の永久追放と厳しく定められています。
2025年以降は開催日が減少
白川郷ライトアップイベントは、近年6回開催日を用意されていましたが、2025年以降は開催日が4回に変更になっています。近年の積雪量の減少などの影響で、開催日が縮小されており、難易度は上がっているように感じます。
白川郷は3月でも雪景色

初めて雪の白川郷へ行ったのは2011年3月でした。もちろんライトアップはありませんが、雪深い白川郷は3月でもご覧の雪景色。この冬に積もった雪が少しずつ溶けていきますので、雪のボリュームは下がりますが、ゆっくり観光したいなら次期をずらすのも方法かと思います。
ただし、温暖化が進む近年、3月まで雪景色が成立しているかは、その年の状況次第です。
雪の白川郷への道のり。自家用車やレンタカーでの行き方と注意点
雪の白川郷観光を車を利用して行く場合は、東海北陸自動車道の白川郷ICを利用し、そこから指定駐車場を目指すことを強くおすすめします。
冬季以外であれば、荘川ICの利用や国道156号線で下道を突き進んで、高速代を浮かせる選択肢もありますが、積雪状況や交通量によっては、下道利用では除雪が行き届いていなかったり、時間が読めないというリスクが伴います。特に御母衣湖沿いの道は、平常時でも道幅が狭い区間があり、積雪でさらに狭くなっていることも考えられます。特にライトアップの帰り道は、暗い道路を進むことになるので、さらにリスクが高まります。
雪道の運転は誰しも不安が付きものですので、無理をせず安全な道を選んでいきましょう。
言うまでもなくスタッドレスタイヤは必須です。タイヤチェーンの携行もしておきます。
雪の状況によっては東海北陸自動車道が通行止めになる場合もありますので、最新の道路情報チェックもお忘れなく。
荻町城跡展望台の駐車場も乗り入れ禁止に
2023年12月28日から荻町城跡展望台駐車場が閉鎖されました。
短時間利用も不可で、駐車場の閉鎖期間は「当面の間」と公式サイトに記載されています。長時間駐車の違反行為が後を絶たないとの理由であることから、もしかしたら雪のシーズンが終わっても閉鎖が続くかもしれません。